EMC指令について

誰がEMC指令を必要とするか?

EMC指令

EMC指令は“ニューアプローチ指令”の一つであり、EU域内の28の加盟国の中で適用されます。この指令は電磁波干渉によって引き起こされる危険や装置の障害を引き起こす可能性のあるすべての電子・電気機器に適用されます。したがってEU域内に輸出しようとしている電子・電気機器業界のほとんどの製造メーカはこの指令の要求事項に適合していることを保証して、その結果としてCE・UKCAマークを製品に添付する必要があります。

EMCの基本概念

EU域内に輸入されるほとんどすべての電子・電気機器はこのEMC指令(2014/30/EU)に適合しなければなりません。この指令は次のような基本的な保護要求に適合することを要求しています。

  • 装置が発する電磁妨害は、EMCの整合規格によって規定されたある基準値を超えてはならない。このレベルとは無線通信機器や他の装置がその目的とする動作に支障をきたすようなレベルを言う。この基準のことをEMIといいます。
  • 装置は、EMCの整合規格によって規定された電磁妨害のレベルに対して、その装置の特性が劣化しないような耐量を持たなければならない。この基準のことをEMSと言います。

EMC指令の適合ルート

EMC指令では、その適合性を証明する方法として次の2つの方法を規定しています。

  • テクニカルファイルルート;製品をEMCの観点から技術的に評価・査定する方法で、製造メーカは、その装置の考えられるすべての使用条件において、必要条件に適合するということを示す詳細な資料を提出する必要があります。このような査定結果まとめてEMC指令の基本的保護要求事項に適合していることを合理的に説明したものをテクニカルファイルと言います。
  • スタンダードルート;EMCの整合規格に依存する方法で、装置のすべての構成条件と動作条件を考慮したうえで、ヨーロッパ連合のオフィスジャーナルに掲載された関連する整合規格に適合していることを証明する方法です。

技術資料

EMC指令で要求している技術資料には次のようなものがあります。

  • テクニカルファイル;製造メーカは装置が指令の必須要求事項に適合しているという証拠をテクニカルファイルとして纏めなければなりません。
  • EC適合宣言書;メーカ様は装置が必須要求事項に適合していることをEC適合宣言書として宣言しなければなりません。この宣言書には次のような情報が含まれます。
  1. 適用するEMC指令
  2. 装置名称
  3. 製造メーカ名と住所、該当する場合は,Authorized Representative(公式代理人)の名前と住所
  4. 装置が適合宣言をするために引用した規格
  5. 宣言書の発行年月日
  6. メーカ様またはAuthorized Representativeの代表者名

新しいEMC指令(2014/30/EU)では、Notified Bodyによる第3者機関の査定は必要なくなりましたが、適合性の正確さを期するために、Notified Bodyに査定の依頼をする製造メーカもあります。この場合TIJによる査定結果はテクニカルファイルとして纏められ、TIEからNotified BodyとしてのOpinion Letterが発行され、これに基づき製造メーカがEC適合宣言書を発行します。

何故テクノロジーインターナショナルグループなのか?

テクノロジー・インターナショナルグループはEMCの業務に20年以上従事しており、広範な経験と専門的な知識を持ったエンジニアリングチームによって、より効率的で効果的なEMCの業務を可能にしています。そのサービスは次のような特徴を持っています。

  • 試験を実施する前にあらかじめ適合性の事前確認を実施する。
  • 試験の実施にあたって、試験項目を確認してテストプランを作成し効率的な試験を行う。
  • 確かなCEマークを取得するために必要なアドバイスを行う。

EMC試験

テクノロジー・インターナショナル・ジャパン(TIJ)は多様な装置に対応して、次のような2通りの試験方法を準備しています。

ラボ試験

弊社が認定した日本国内のEMCラボに装置を持ち込んで試験する方法です。このラボに対してはISO/IEC 17025に基づいてTIEのラボ査定管が定期的に試験ラボの試験設備や試験管の技量や品質管理状況を監査した上で、認定ラボの認証書を発行されています。したがってこのラボで実施した評価試験結果は、そのままTIEでオピニオンレターを発行する場合に有効です。

オンサイト試験

この試験は、試験に必要な測定機を弊社が準備して御社の工場とか装置が最終的に設置される場所において試験を行うもので、装置が大型でラボでの測定が困難であるとかラボでは準備できない特殊なユーテリティが必要な場合にこの試験方法が選択されます。
一般的にラボ試験よりも安い費用で試験をすることができます。実際に、適合試験を行った場合で比較すると60%以上のコスト削減が期待できます。これは装置を試験ラボに搬送する費用や、ラボの占有時間費用や、装置の据え付け時間を削減することができるためです。
ラボ試験と比較して測定環境が悪いので、Notified Bodyとして経験豊富なエンジニアによって、適合性を保証するに足る信頼性の高い試験データを取得することが必要です。
試験場所に対する時間的な制約が比較的少なく、測定上しばしば起こりうる不適合の対策をその場で実施できるということも、この試験方法の特徴です。

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